これは10i.jpの「ゲーム史上の初動セールス記録ランキング」を読んだ、ZETTONの一ゲーマーの主観コラムだ。順位も点数も、全部10i.jp編集部が6つの物差しで採点した“見立て”で、俺が決めたわけじゃない。今回は面白さではなく「売れ出しの速さ」を測る回で、名作ランキングのつもりで読むと最下位に殴りかかりたくなる。実際、俺は一回なった。いくぞ。
今回のお題(出典:10i.jp のランキング) ゲーム史上の初動セールス記録ランキング ― 初動速度 × 時代補正で測る記録 10i.jp/ranking/fastest-selling-games-alltime(集計日 2026-07-19・6軸の編集ランキング)今回のお題は毛色が違う。10i.jpの「初動セールス記録ランキング」だ。測っているのは面白さじゃなく、売れ出しの速さと、その記録としての価値。軸は初動速度・時代と普及環境を考慮した相対的凄さ・需要の実体・社会現象度・初動後の持続力・記録としての物差し度の6本。ここを勘違いすると、順位を見た瞬間にキレることになる。実際、俺は最下位を見て一回キレた。そして読んで、納得した。順に話す。
※ 以下で出てくる順位・点数は、すべて10i.jpの当該ランキング(2026-07-19集計・デフォルトの「記録としてのバランス」レンズ)での数字。俺の言うことは、その順位に対する俺個人の感想で、順位を決め直すものじゃない。
総合1位は『Grand Theft Auto V』(2013)で9.46点。2位に0.9以上の差をつけた、今回いちばん綺麗な圧勝だ。しかもこいつ、初動速度レンズでも1位(9.70点)、時代補正レンズでも1位、需要の実体レンズでも1位、社会現象度レンズでも1位。どのレンズを押しても1位から動かない。ここまで来ると清々しい。物差しを変えれば王者が変わるのがこのシリーズの醍醐味なのに、こいつだけは何をどう測っても動かなかった。文句なし。次いこう。
総合3位が『ドラゴンクエストIII』(1988)で8.42点。現代の世界的大作を差し置いて、38年前の国内タイトルが表彰台に乗っている。「おかしいだろ」と思うだろ。10i.jpもその声を想定していて、ちゃんと答えを書いている。
絶対本数で言えば、DQ3の初動速度の採点は中位だ。現代の大作には及ばない。だが当時の市場規模の小ささを踏まえた「相対的凄さ」は全候補中の最高点で、学校を欠席する子が出て社会問題として扱われたほどの熱狂だった、とされる。その破壊力は、現代のどの大作の初動より大きかった可能性がある——というのが10i.jpの立場だ。
そして偉いのはここからで、「初速オンリー重視」レンズに切り替えるとDQ3は3位から18位へ急落すると自分で書いている。自分の順位が崩れる条件を、自分で開示してるんだ。こういうランキングは信用できる。俺は信用する。
いや待て。最下位(25位・5.62点)が『Minecraft』だと? ゲーム史上いちばん売れてる作品だぞ。……と、ここまでが読んだ直後の俺だ。落ち着いて中身を読んだら、正しかった。
このランキングが測っているのは「初動記録」であって「生涯の偉大さ」じゃない。Minecraftは発売当初こそ地味な立ち上がりで、そこから何年もかけて世界を飲み込んでいったじわ売れの代表例だ。だから初動速度の軸では最低クラスの点になる。そして「需要の実体重視」レンズに切り替えると25位から9位へ急浮上する。——うまい。物差しの外に置かれただけで、価値が否定されたわけじゃないと、ちゃんと示してある。順位表は、何を測っているかを読まないと喧嘩の種になる。いい教材だ。
ここも面白い。『Cyberpunk 2077』が19位、『Palworld』が20位。両方とも初動速度そのものは最高水準の採点を受けている。なのに中位以下に沈むのは、別の軸で削られているからだ。
10i.jpの記述によれば、Cyberpunk 2077は大量返金とPSストアの一時配信停止という経緯があって「需要の実体」が低く、Palworldは同時接続の急減という事実があって「持続力」が低い。さらに「需要の実体重視」レンズだとCyberpunk 2077は19位から25位(最下位)へ転落する。——つまりこのランキング、飛び出しの速さだけでは表彰台に乗せてくれない。「売れた」の中身まで見にいく設計になってる。記録を扱うなら、これくらい厳しくていい。
最後に、順位そのものより感心した話をさせてくれ。24位に個人開発のインディー作品が入っている。2026年6月の発売から16日で全世界1000万本という数字が報じられた、インディーとしては前例のない規模だ。
普通ならこういう「話題の新記録」は、盛って上位に置きたくなる。だが10i.jpはこれに「時代補正あり」と「要確認」の両方のフラグを立てて24位に置いた。記録としての評価が定着するのはこれからだから、という理由だ。しかも出典に無い情報(価格や他作品との比較順位)は主張していない、とわざわざ断っている。——熱を売り物にしてる俺が言うのもなんだが、盛らない姿勢が一番かっこいいという場面はあるんだよ。ここがそれだ。
まとめる。このランキングを読んで一番残ったのは順位じゃなくて、この一行だ——測っているのは初動記録であって、生涯の偉大さではない。Minecraftが最下位で、38年前のDQ3が3位。この二つが同時に成立するのが、物差しを開示するランキングの強さだと思う。
——で、あんたが「初動の化け物」だと思ってる作品は、どれだ? 元のランキングでレンズを切り替えると、たぶん一回は上位に来る。来なかったら、それは記録じゃなくてあんたの思い出が強いってことだ。それも悪くない。
元のランキングを読む(10i.jp) ゲーム史上の初動セールス記録ランキング ― 6つの物差し・レンズ切替つき 10i.jp/ranking/fastest-selling-games-alltime →出典ランキング:10i.jp「ゲーム史上の初動セールス記録ランキング」(各記録の出典・留保は元ページを参照)
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